2014年2月24日月曜日

うつ病の診断②


今回は、うつ病診断ということで、臨床評価についてお話していきたいと思います。

大うつ病の診断を行う前に、一般的に医師によって医学的検査と幾つかの調査が他の症状を除外するために行われています。
血液の甲状腺刺激ホルモン(TSC)とチロキシン測定によっての甲状腺機能低下症除外、基礎電解質と血中カルシウム測定で代謝障害の除外、全血球算定(赤血球沈降速度ESRを含む)により全身性疾患や慢性疾患の除外などがあります。
薬物の副作用やアルコール乱用も同様に除外されます。
男性の抑うつの場合、テストステロンのレベル測定によって性腺機能低下症も除外されます。
客観的認知についての問題が老人の抑うつに現れることがあるが、それはアルツハイマー病などの痴呆性疾患の可能性があります。
これは、認知テストと脳画像イメージによって認知症とうつ病を区別する助けとなります。
CTスキャンは精神病患者の脳病理を除外することができ、また異常兆候を迅速に判断することができます。
生物的テストでは大うつ病の診断を行う方法はありません。
一般的に、医学的な問題がない限り、その後検査を繰り返す必要はありません。
2011年、広島大学大学院などの研究グループが客観的に大うつ病を診断できる指標となる可能性のある物質を発見したことが、米国科学誌プロスワン電子版にて発表されました。
研究対象は既に大うつ病の診断がなされている20人と健康な18名が対象であるため、大うつ患者と健康な人を区別するのに、DNAのメチル化が指標として使える可能性がある、ということだけを言っています。
寛解時消失は確認されていません。

次回は、うつ病の診断ということで、DSM-IV-TRICD-10について解説していきたいと思います。


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