2013年11月7日木曜日

うつ病の原因③

今回は、うつ病発症の生物学的仮説の一つである

脳の海馬領域における神経損傷仮説についてお話していきたいと思います。


うつ病の神経損傷仮説



近年MRIなどの画像診断の進歩に伴い、うつ病において、

脳の海馬領域での神経損傷があるのではないかという仮説が唱えられています。

そして、このような海馬の神経損傷には、

遺伝子レベルでの基礎が存在するとも言われています。


心的外傷体験が海馬神経損傷の原因となるという仮説



海馬の神経損傷は、幼少期の心的外傷体験を持つ症例に認められるとの研究結果から、

神経損傷が幼少期の体験によってもたらされ、

それがうつ病発病の基礎となっているとの仮説もあります。

コルチゾール(cortisol) は副腎皮質ホルモンであり、ストレスによっても分泌されます。

分泌される量によっては、血圧や血糖レベルを高め、

免疫機能の低下や不妊をもたらすこともあります。

また、このコルチゾールは、過剰なストレスにより多量に分泌された場合、

脳の海馬を萎縮させることが、

近年心的外傷後ストレス障害(PTSD)患者の脳のMRIなどを例として観察されています。

心理的ストレスを長期間受け続けるとコルチゾールの分泌により、

海馬の神経細胞が破壊され、海馬が萎縮します。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)・うつ病の患者には、その萎縮が確認されているようです。


次回も別の仮説について解説していきたいと思います。


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